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加藤友三郎元首相の遺品寄贈 東京の玄孫 江田島の海自術科学校へ

 広島県出身者で初めて首相になった加藤友三郎(1861~1923年)の玄孫の会社員加藤健太郎さん(41)=東京都杉並区=が23日、江田島市の海上自衛隊第1術科学校を訪れ、遺品を寄贈した。

 加藤は日露戦争の日本海海戦の連合艦隊参謀長で、呉鎮守府司令長官も務めた。21、22年のワシントン軍縮会議では首席全権として国際軍縮条約を締結。22年に首相に就任、1年余りで死去した。

 遺品は5点で、フロックコート、えんび服、士官の短剣、山高帽、元帥刀架。衆議院憲政記念館(東京)で2011年にあった特別展に出品するため遺品を整理していた際、健太郎さんの実家で見つかった。コートは軍縮会議でワシントンに滞在した際に着ていたとみられる。

 健太郎さんは「個人管理では傷む。没後90年の節目でもあり、公的な場で保管してもらうのが妥当」と話す。

 旧海軍資料約1万6千点を収蔵する同校教育参考館に、加藤の遺品はないという。徳丸伸一学校長は「大切に保管し、歴史を伝える資料として展示も検討したい」としている。(加茂孝之)

(2013年8月24日朝刊掲載)

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