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松江市教委、撤回の公算大 ゲン閲覧制限 きょう委員会議「学校の判断尊重」

 松江市教委が漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を小中学校に要請していた問題で、市教委が要請を撤回する公算が大きいことが25日、分かった。対応を一任されている教育委員会(5人)の内藤富夫委員長を含む複数の委員への取材で明らかになった。(樋口浩二、秋吉正哉)

 内藤委員長は同日、中国新聞の取材に対し「(閲覧させるかどうかの権限は)図書を購入した学校にある」と指摘。学校現場の自主性を尊重する考えを示した。

 その上で内藤委員長は「自分の思いは固まっている」と強調。問題への対応を決める26日の教育委員会議で「他の委員の意見をまとめられると思っている」とした。

 さらに「市教委の要請には二つの問題があった。市教委も22日の会議で認めた」と強調。学校図書館の運営権を持つ校長に行政が要請した点のほか、要請の判断に至った議論の過程を問題視している考えを表明した。

 議論の過程の中では特に「市議会への過剰な斟酌(しんしゃく)があった」とした市教委のスタンスを「問題だ」と批判した。

 別の委員も取材に対し「学校の判断に任せるべきだとの意見を表明する」と強調。要請撤回が妥当との考えを示した。

 松江市教委は昨年12月とことし1月の2度、市内の49小中学校に「ゲン」の閲覧制限を要請していた。今月20日に市教委がまとめた調査では、保有する43校中42校が従っていた。

(2013年8月26日朝刊掲載)

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