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壊滅の寺 記憶つないで 平和公園 ボランティアら30人学ぶ

 平和記念公園(広島市中区)にかつてあった慈仙寺(同)の住職から話を聞く集いが6日、同公園内であった。原爆資料館のピースボランティアたち約30人が参加し、被爆前後の寺の様子などを聞いた。

 公園内の同寺跡地に残る墓石前で、梶山謙治住職(70)が当時の住職だった祖父たち5人が被爆死したことを説明。復員した先代の父仙順さん(2019年に96歳で死去)が焼け跡に寺を再建し、平和記念公園の建設に伴い移転した歴史も紹介した。梶山住職は「もっとおやじに話を聞いておけばよかったと今は思う。直接の体験者は減っていくが、記憶をつないでほしい」と期待の思いを伝えた。

 慈仙寺の墓石は、ピースボランティアが碑めぐりの際に観光客や修学旅行生を案内する場所の一つ。同寺について学ぶ機会を設けようと、ボランティアの一人の畑口実さん(75)=廿日市市=が集いを企画した。畑口さんは「住職から現地で話を聞けるのは貴重。それぞれ案内に生かしてほしい」と話していた。(明知隼二)

(2021年11月7日朝刊掲載)

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