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テレビ電話で被爆証言 広島の田中さん 米国の平和行事に参加

 被爆者で七宝作家の田中稔子さん(74)=広島市東区=が、インターネットによるテレビ電話を使って、米国ニュージャージー州の教会であった平和イベントに参加し、通訳を通して被爆体験を証言した。

 当時6歳だった田中さんは登校中に、爆心地から約2・3キロの牛田町(現東区)で被爆し、頭や腕をやけどした。その時の様子や気持ちなどを電話で語り「みんなで手を携え、核のない世界をつくりましょう」と訴えた。

 続く意見交換では、米国の参加者から「心を動かされ、(原爆に)怒りを覚えた」などの感想や、「日本国憲法9条改正の動きについてどう思うか」との質問が出た。田中さんは「(改正の動きを)大変憂慮している。9条があったから(戦争で)人を殺すこともなかった。良い憲法だと思っている人が世界にもたくさんいる」と答えていた。

 約30分間の証言と意見交換を終えた田中さんは「これからも対話を続けたい。戦争はよくないと世界の人たちに訴えていきたい」と話していた。

 イベントは、被爆者との対話を通して平和について考えようと、現地の宗教団体と平和団体の有志が企画。23人が参加した。(増田咲子)

(2013年8月26日朝刊掲載)

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