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被爆者・安保闘争・東日本大震災… 日本の戦後活写 横浜で福島菊次郎展

 広島の被爆者や安保闘争、東日本大震災の被災地などをカメラに収めてきた報道写真家福島菊次郎さん(92)=柳井市=の企画展が、横浜市中区の日本新聞博物館で開かれている。日本の戦後を問い続けてきた厳しいまなざしがうかがえる。

 パネル写真約80枚を展示。広島の被爆者一家を10年にわたり撮影した作品では、うつぶせになって苦痛にもだえる原爆症の男性の姿などを捉え、悲惨さを訴えている。学生運動やあさま山荘事件、水俣病の被害をテーマにした作品もある。

 福島さんは下松市生まれ。戦後間もなく広島で被爆者の撮影を始めた。今も現場に足を運び続け、東日本大震災後、原発事故が起きた福島県を90歳で取材。津波で打ち上げられた船などを写した。

 訪れた横浜市のパート夏井裕子さん(45)は「その場の空気感やにおいが写真から伝わってくる」と見入っていた。10月20日まで。(山本和明)

(2013年8月27日朝刊掲載)

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