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被服支廠の調査公開 中国財務局、れんが壁強度測定

 広島市南区に4棟が残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」で、中国財務局は9日、国所有の1棟で初めて取り組んでいる強度調査を報道各社に公開した。結果を踏まえて、具体的な安全対策の内容や実施時期を検討するとしている。

 1階の内部でれんが壁を調べる様子を10分間、公開した。業務の委託先であるNSP設計(中区)の下請け業者の作業員2人が、高さ80センチの部分のモルタルをはがして穴を開け、試験機器でれんがのつなぎ目の接着力を測定。パソコン画面で確認していた。

 現地調査は4日に始まった。外部の壁面や鉄扉の目視などもして、12日で終了する。内容を分析して耐震診断をし、本年度末までに最終結果をまとめる。

 財務局は9月、「安全対策を実施し、適切な維持管理に努める必要がある」として、建物の劣化状況を調査する方針を示した。県が、所有する3棟の耐震化方針を決めたのを受けた。事業費は1700万円を予定している。(河野揚)

(2021年11月10日朝刊掲載)

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