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原爆ドームと肖像写真 宮角さんが南区で個展

 庄原市出身の写真家宮角(みやかく)孝雄さん(73)=東京都=の個展が、広島市南区のエディオン蔦屋家電で開かれている。原爆ドーム(中区)を背にした被爆者や著名人の肖像写真など、平和への願いを込めた作品が並ぶ。21日まで。入場無料。

 被爆2世でもある宮角さんは、原爆ドームを訪れる人びとを撮り続けている。今回は2000年以降に手掛けたジャズピアニスト秋吉敏子さん、ジャーナリスト田原総一朗さんらのモノクロの肖像31点を展示した。県被団協理事長を長年務め、先月24日に死去した坪井直さんの肖像もある。

 カメラを使わない「フォトグラム」という手法で、広島の被爆樹木などの影を捉えた大作3点も並べた。感光剤を塗った紙の上に被写体を置き、光を当てて陰影を出す。原爆資料館(中区)の収蔵品のうち、人が腰掛けていた部分が熱線で影のように残った「人影の石」に触発されたという。

 宮角さんは「原爆の悲惨さは世界に知られるべきだ。作品を通じ、あの日に思いをはせてほしい」と話す。(田中美千子)

(2021年11月13日朝刊掲載)

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