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多数の校長が開架方針 松江市教委のゲン閲覧制限

 松江市教委による28日の臨時校長会後、出席した多くの校長が「はだしのゲン」を学校図書館の本棚に戻す開架方針を示した。一部に慎重な意見もあった。

 佐太小の福井一成校長は、広島への修学旅行を控え積極活用する方針を示した。同小は市教委による2度目の閉架要請後、全10巻を教室に移し平和学習に活用していたが、「子どもの目に触れないように」との市教委の要請に沿い普段はカーテンで覆っていたという。

 八雲小の井田佳彦校長も「30日の始業式に間に合わせたい」と早期に開架する意向。「教師を介し、原爆の悲惨さを伝える部分をじっくり読ませたい」と意欲を示した。

 「9月開架」の見通しを示した女性小学校長は「教員やPTAの役員の意見を聞きたい」。開架方針の男性中学校長も「時期を教員、PTAなどと相談したい」とした。

 一方、ある男性小学校長は「描写を問題視する声もある。すぐに開架せず教員と相談したい」。別の男性小学校長は「地域の意見を聞きたい」と話した。

 市教委の2度の閉架要請に「強制力を感じた」と多くの校長が不満を口にしたが「学校側も受け入れた」と反省も。市小学校長会長の河原(ごうばら)史佳・雑賀小校長は「(要請後)校長会が市教委に申し入れをしなかったため、その後の議論につながらなかった。今後は主張したい」と話していた。

(2013年8月29日朝刊掲載)

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