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被爆の惨状 世界に伝える 谷本清平和賞 川崎さんに贈呈

 第33回谷本清平和賞に決まった非政府組織(NGO)ピースボートの川崎哲(あきら)共同代表(52)=川崎市=への贈呈式が14日、広島市中区の広島工業大広島校舎であった。公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(佐伯区)の鶴衛理事長(64)が表彰状を手渡した。

 2004年から共同代表を務める川崎さんは、広島、長崎の被爆者と船で世界各国を訪ね、被爆の惨状を伝えてきた。17年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の国際運営委員も務め、今年1月に発効した核兵器禁止条約の制定に尽力した。

 この日、講演した川崎さんは受賞について「被爆者や戦争を直接体験した世代と21世紀生まれの間にいる人間として、過去の戦争に学び、未来の平和をつくる道筋を示せとのメッセージだ」と語った。

 同賞は、被爆者支援に尽くした広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、世界平和の実現に向けて活動する個人や団体に贈る。11年には、10月に96歳で亡くなった県被団協前理事長の坪井直さんが受賞した。(久保田剛)

(2021年11月16日朝刊掲載)

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