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旧満州入植 歴史知って 世羅 大田庄歴史館で企画展

 世羅郡から旧満州(中国東北部)へ入植し、戦災に遭った人たちの歴史を伝える企画展が、広島県世羅町甲山の大田庄歴史館で開かれている。同館が2010年から続ける「平和への証言展」の第4弾。前後期に分かれ、前期は29日まで。

 当時の時代背景や暮らしぶりなどを写真や文献で解説する。同郡から旧満州へは当時の人口の2%以上が渡り、県内でも特に割合が高かったとされる。世羅村からは1939~45年に約810人が入植し、終戦の混乱などの中で多くの人が犠牲になった。無事に帰国できた人が描いた旧満州の地図や、1年以上かかった帰国までの足取りを展示している。

 12月2日~来年1月10日の後期展示では、体験の証言や戦後の暮らしなどに光を当てる。東博晃館長は「後世に伝えなければならない歴史。戦争と平和について考えるきっかけにしてほしい」と話す。(矢野匡洋)

(2021年11月16日朝刊掲載)

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