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「回天」の悲劇 継承を誓う 周南・大津島で追悼式

 旧日本軍の人間魚雷「回天」の訓練基地が置かれた山口県周南市大津島で14日、搭乗員と、回天を載せた沈没潜水艦の乗務員の計1299人の追悼式があった。顕彰会のメンバーたち約40人が参列した。

 回天記念館そばの回天碑前であった式では、顕彰会の原田茂会長(83)が「先の大戦から76年たち、戦争体験者は少なくなった。二度と回天や特攻隊の出撃がないように、大津島を平和を願う若者の育成や、歴史継承の地にしていかねばならない」とあいさつした。参列者は碑に白菊を順番に手向けた。

 追悼式は、1944年に大津島の基地から初めて回天の「菊水隊」が出撃した11月8日に近い休日に毎年、開いている。菊水隊は西太平洋のウルシー環礁で米軍給油艦ミシシネワを撃沈した。幸いにも生き延びた給油艦乗組員の息子で2019年の追悼式に参列したマイケル・メアさんからのビデオメッセージもこの日、披露された。(中井幹夫)

(2021年11月16日朝刊掲載)

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