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締約国会議参加 慎重 核禁止条約巡り林外相

 林芳正外相(山口3区)は16日の記者会見で、来年3月にオーストリア・ウィーンで開かれる核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加に慎重な姿勢を示した。核兵器保有国が加わらない段階での同条約への署名・批准に消極的な岸田文雄首相(広島1区)の姿勢を念頭に「首相の方針を踏まえて対応していく必要がある」と述べた。

 首相は15日に国連で軍縮担当上級代表を務める中満泉事務次長と会談した際、オブザーバー参加に慎重な見解を示していた。

 林外相は同条約について「核兵器国は一カ国も参加していない」と改めて指摘し、締約国会議の参加に関しても「首相も既に(中満氏に)言われている」として同様に慎重な姿勢を示した。その上で「唯一の同盟国である米国の信頼を得て核兵器のない世界の実現に向けて共に前進していきたい」とし、米国と共同歩調を取る必要性を強調した。

 締約国会議に先立って来年1月に米ニューヨークの国連本部である核拡散防止条約(NPT)再検討会議については「会議が意義ある成果を収めるよう、わが国として積極的な役割を果たしたい」と述べた。自身の出席については言及しなかった。(樋口浩二)

(2021年11月17日朝刊掲載)

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