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展示PS1さよなら 周防大島 老朽化で解体

 山口県周防大島町伊保田のなぎさパークで展示されていた海上自衛隊の対潜哨戒飛行艇PS1が16日、老朽化のため解体された。現存する同型機で、一般見学できる唯一の機体だった。

 海上自衛隊員が見守る中、業者が重機2台を使って作業した。左右からアームで機体をつかみ、バキバキと音を立てながら壊していった。機体は完全に解体され、スクラップの山ができた。パーク周囲には作業を見に来た近所の人や航空ファンの姿もあり「寂しくなる」と声が漏れた。

 PS1は海面で離着水できる航空機で全長が34メートル、全幅が33メートル。1970年に配備され、海自岩国基地(岩国市)を拠点に運用された。23機が製造され、89年に全機が退役した。旧東和町が88年、海自から機体を無償で借りて展示した。機体が老朽化したため周防大島町が対応を検討していたところ、海自の申し入れを受け、解体を決めた。解体費は約330万円。同型機は岩国基地で1機が屋外保存されている。(川井直哉)

(2021年11月17日朝刊掲載)

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