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人集う平和大通りに 広島市骨子案 広場やカフェなど

 広島市中心部の平和大通りを生かしたにぎわいづくりに向け、市は基本計画の骨子案をまとめた。市民が求める「鎮魂」「憩い」「にぎわい」「おもてなし」の四つの要素を調和させ、慰霊碑周辺の舗装や交流広場の整備、カフェの誘致などを進める。

 四つの要素は、周辺住民への聞き取りと公募で寄せられた意見の計423件を市が集約した。骨子案は、4要素の調和に加え「都心の回遊を促す平和のシンボルロード」を通りのコンセプトに据え、鶴見橋から緑大橋までの約2・6キロを活用するとした。

 課題には、生い茂る樹木や照明不足で暗い・怖い印象がある▽慰霊碑の説明板やトイレが不十分▽通りを活用する担い手が少ない―点などを指摘。課題の解決に向け、慰霊碑や樹木周辺の整地や舗装、園路の整備、広場の芝生化、照明設置を進めるとした。交流広場や人々が憩うカフェの整備も盛り込んだ。

 平和大通りは現在、緑地帯を含めて市道扱いで、常設の飲食施設は営業できない。にぎわいづくりを目指す市は、緑地帯を公園に指定して民間資金やノウハウを生かす「パークPFI」などの導入を検討。近く基本計画案をまとめた後、市民に意見を公募して集約し、来年2月に基本計画を公表する予定でいる。  平和大通りのにぎわいづくりについては、経済界や被爆者団体から賛否両論が出ている。市観光政策部は「市民のさまざまな意見を大切にして通りの魅力を高めたい」としている。(余村泰樹)

(2021年11月18日朝刊掲載)

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