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戦争体験の絵 DVDに復元 74~76年三次高生描く 元教諭5人が編集

 三次高(三次市南畑敷町)の生徒が親から聞いた戦争体験を描いた絵をナレーション入りで紹介した35年前のスライドフィルム作品「語りつぐ戦争体験」が、DVDとして復元された。同校の元教諭5人が手掛けた。

 絵は、1974~76年に美術の授業を選択した生徒37人が夏休みの宿題として描いた水彩画。父に召集令状(赤紙)が届き、戦地に赴く場面や学徒動員の様子など48枚で音声を交えて20分でまとめている。

 スライドフィルムや音声テープが劣化し、再生機器も減ってきたため、同校元教諭の中間忠海さん(83)=山家町=が「高校生が、親から戦争体験を聞くことはもうできない。二度と作れない貴重な資料」と、DVDにして残すことを発案。土井尊美さん(63)=布野町=たち4人に呼び掛けた。広島市内の業者にDVDへの複製を依頼した。

 中間さんは今後、当時の教員や生徒たちを招いてDVDを上映したり、戦争体験を聞いたりする集いを開くことも考えている。

 また、DVDは平和教育の教材に使ってもらうため県高等学校教職員組合(広島市中区)にも贈った。(野平慧一)

(2013年8月31日朝刊掲載)

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