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米の強襲揚陸艦が岩国寄港

 米海軍の強襲揚陸艦アメリカが18日、米軍岩国基地(岩国市)に初めて寄港した。戦闘機を運用できる飛行甲板を備え、同基地へ入港した艦船としては最大規模。市民団体は「基地機能の強化だ」と批判の声を上げた。

 アメリカは午後2時ごろ基地沖に姿を見せると、3隻のタグボートに誘導され、約1時間かけて基地の港湾施設に着岸した。飛行甲板には輸送機オスプレイも確認された。

 米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)所属で全長約257メートル。短距離で離陸し、垂直に着陸できる岩国基地所属のステルス戦闘機F35Bなどを搭載でき、作戦行動の際、海上の出撃拠点となる。

 米側は寄港目的を「運用能力の確認のため」とし、滞在期間は数日間としている。19日には岩国市内で乗組員と岩国基地所属の海兵隊員とのソフトボールの試合も予定している。

 基地周辺では基地の強化に反対する市民団体メンバーも入港を見守った。あたごやま平和研究所の田村順玄代表は、基地の港湾施設の目的について「国は補給物資の荷降ろしと説明してきた」と指摘し「今回の寄港は大型空母を除くあらゆる艦船を受け入れられる施設であると証明する動きだ」と語気を強めた。(永山啓一)

(2021年11月19日朝刊掲載)

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