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大和主砲試射場跡 模型で再現 広島工大生制作 動画も 「亀ケ首」大和ミュージアムで公開

 呉市の倉橋島にある旧海軍の遺構で、戦艦大和の主砲の性能テストもしたとされる「亀ケ首試射場跡」を紹介する模型と動画が、同市宝町の大和ミュージアム3階ロビーで公開されている。広島工業大(広島市佐伯区)の学生たちが現地調査するなどして制作した。(仁科裕成)

 模型は2500分の1サイズ。地形を立体的に再現し、今も残る施設の位置と名称を示している。動画は約9分。森の中にたたずむれんが造りの事務所跡や、コンクリート製の検速所跡などを巡り、地元の観光ボランティアガイドたちによる解説も収録している。

 同試射場は明治期に整備され、呉海軍工廠(こうしょう)の施設として砲弾の発射実験などが繰り返された。2020年、日本遺産の構成文化財に追加認定された。展示は、呉市など旧軍港4市がゆかりの日本遺産をPRするイベント「日本遺産WEEK」の一環で21日まで。

 市が、陸路でのアクセスが困難な試射場跡を分かりやすく紹介したいと、旧海軍施設を調べている広工大や呉高専に制作を依頼した。広工大2年の山本凌さん(20)は「実際に行った気分を味わえるように動画撮影した」、同2年中村美遊さん(20)は「貴重な遺構を多くの人に知ってほしい」と話している。

(2021年11月19日朝刊掲載)

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