×

ニュース

手帳の申請 無料相談会 来月8日 「黒い雨」支援する会

 原爆投下後に降った黒い雨の被害者や支援者でつくる「黒い雨」被害者を支援する会は12月8日、被爆者健康手帳の交付申請に向けた無料相談会を開く。黒い雨が国の援護対象区域より広範囲に降ったと認定した広島高裁判決の確定を受け、区域外で雨に遭った人たちの相談を受ける。

 国は現在、原爆投下時に援護対象区域内にいた人に健康診断をした上で、がんなど11疾病と診断されれば手帳を出す2段階の制度を採る。広島高裁判決は区域外で雨に遭った原告も含め、発症を要件とせずに全員を被爆者と認定した。

 相談会は、12月8日午後2~5時に広島市佐伯区役所別館で開く。区域外で雨に遭った人たちを対象に、支援する会の会員たちが当時の状況などを聞き、申請手続きの助言をする。定員は50人。高東征二事務局長(80)に電話で申し込む。

 18日は、申請を終えた会員たち6人が市役所で記者会見した。高東事務局長は高齢化で記憶を呼び起こすことが困難な人が多いと強調。「申請したくても手順や方法が分からずに困る人がいる」と相談会への参加を呼び掛けた。

 政府は判決後、原告と同じような状況にあった人たちも救済すると表明。国と広島県、市が救済に向けた新たな被爆者の認定要件などを協議している。

 4歳の時に援護対象区域外の八幡村(現佐伯区)の自宅で黒い雨を浴び、手帳交付を申請中の小川泰子さん(81)は「一日も早く新たな仕組みをつくり、救済を前に進めてほしい」と話した。高東事務局長☎080(1928)9097。(小林可奈)

(2021年11月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ