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はだしのゲン閲覧制限 要請 市議に報告 松江市教委 「不良」発言者のみ

 松江市教委が漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を小中学校に要請した問題で、市教委が要請の後、市議会教育民生委員会(8人)でゲンを「不良図書」とした市議に委員の中で唯一、要請の事実を伝えていたことが30日、分かった。

 市議によると、報告を受けたのは市教委が校長会で閲覧制限を求めた後のことし1月。控室に訪れた当時の市教委幹部から「『ゲン』は子どもが自由に見られない状態にした」との趣旨の説明を受けたという。

 幹部は30日、中国新聞の取材に対し「明確に覚えていないが他の話と一緒に伝えた可能性はある」と述べた。

 一方、委員長を含む他の7委員は30日までの取材に対し、市教委から報告を受けていないと答えた。ある委員は「まず委員長に伝えるのが筋」と指摘する。幹部は「委員に報告が必要との認識はなかったが、聞かれれば隠すつもりもなかった」と説明している。

 市議は昨年11月の同委員会で「過激な文章や絵」を理由に「ゲン」を不良図書と発言。市教委教育総務課の須山敏之課長は、今月22日の教育委員会議で閲覧制限の経緯について「市議会のやりとりを聞く中で、過剰な斟酌(しんしゃく)をしてしまったのかもしれない」と答弁していた。(樋口浩二、土井誠一)

(2013年8月31日朝刊掲載)

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