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核禁条約会議 参加を 広島・長崎市長、首相に要請

 平和首長会議会長の松井一実広島市長と副会長の田上富久長崎市長は18日、岸田文雄首相(広島1区)を官邸に訪ね、来年3月にオーストリア・ウィーンである核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加するよう求める要請書を手渡した。首相は参加の可否を明言せず、条約の署名・批准に慎重な考えを改めて伝えた。

 要請書は、条約に背を向ける日本政府の姿勢を踏まえ、まずはオブザーバーで会議に加わることと、早く条約に署名・批准することを求める内容だ。両市長と首相は非公開で会談した。

 報道陣の取材に応じた両市長によると、首相は「核兵器なき世界」を目指す姿勢を示しつつも、まずは同盟関係にある米国との信頼構築を優先する考えを強調。核廃絶は「手順が重要だ。日本が独自で動くとうまくいかなくなる可能性がある」と説明したという。

 松井市長は一定の理解を示しながらも「核兵器のない世界にもっとスピーディーに進んでほしい」と述べた。平和首長会議は165カ国・地域の8054都市が加盟する。(樋口浩二)

(2021年11月19日朝刊掲載)

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