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首相、参院選で改憲争点 合同インタビュー 自衛隊明記など念頭

 岸田文雄首相は19日、就任後初めて内閣記者会のグループインタビューに応じ、憲法改正を来夏の参院選で主要争点にする考えを示した。自民党の改憲4項目について「一部が国会の議論の中で進むならば、4項目同時の改憲にこだわらない」と述べ、与野党協議に委ね柔軟に対応する姿勢を強調した。9条への自衛隊明記などが念頭にある。弾道ミサイルを相手国領域内で阻止する「敵基地攻撃能力」の保有に関して、極超音速兵器など現実の安全保障環境を踏まえた議論への意欲を示した。

 自民党は自衛隊明記の他、緊急事態条項や参院選「合区」解消、教育充実の4項目の改正案をまとめている。優先順位を問われた首相は「4項目とも現代社会で必要な改正だ」と説明。自衛隊明記に関し「違憲論争に終止符を打つという意味で重要だ」とも語った。

 改憲議論の「主戦場は国会だ」と強調。党の「憲法改正実現本部」に期待する役割として、国会論議の側面支援と世論喚起を挙げた。

 敵基地攻撃能力については「何よりも大事なのは現実問題。国民の命を守るために何が求められるのか。議論を突き詰めることだ」と強調。外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略」の改定に向け、丁寧な議論を進めると語った。

 財政再建のため消費税率を引き上げるかどうかは「消費税を触ることは考えていない」と否定した。

 韓国については、2国間関係を安定させる重要性を訴えつつ、元徴用工問題を念頭に「国際的な約束は守られるべきだ」と指摘。韓国に前向きな対応を促した。

 安定的な皇位継承策の取りまとめ時期についての質問には、中断している有識者会議に触れて「議論を見守っていくということに尽きる」と答えた。

 2021年度補正予算案を審議する臨時国会は「12月頭の召集で調整を始めている」と語った。

(2021年11月20日朝刊掲載)

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