×

ニュース

広島でG7会議 核廃絶へ「重要」 選定「あらゆる要素勘案」

 岸田文雄首相(広島1区)は19日、広島県と広島市が2023年に日本で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)の誘致を検討していることについて「世界の指導者に被爆地へ足を運んでもらい、被爆の実相に触れていただくことは『核兵器のない世界』を目指す上で大変重要な取り組みだ」と述べた。官邸で中国新聞のインタビューに答えた。

 実現すれば米国のバイデン大統領をはじめ英国、フランスといった核兵器保有国の首脳が被爆地に一堂に会し、首相が「ライフワーク」とする核兵器廃絶に向けた弾みとなる。一方、会場選定について「私は首相として、あらゆる要素を勘案して判断しなければならない立場だ。(具体的な開催地は)全く頭になく、何も決まっていない」と述べた。誘致には福岡県と福岡市が名乗りを上げている。

 核廃絶に向けた取り組みで当面の焦点となるのは、年内訪米も取り沙汰される日米首脳会談だ。首相は「唯一の同盟国。信頼関係を築くのが重要だ」と改めて強調。関係構築の先に、来年3月にオーストリア・ウィーンで開催される核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加は位置付けられているのかを問われると、「先については予断を持って申し上げるのは控えたい」とした。

 地方の過疎問題への対応は、「デジタル田園都市国家構想」と絡め「デジタルインフラを地方に率先して展開することでドローン宅配や自動運転、遠隔医療、遠隔教育ができる」と力説。防災についても堤防やダムなどの重要性を唱える一方、「(情報発信などで)デジタル技術も駆使して安全な態勢をつくっていく。ハードとソフトを組み合わせて防災を考えていく」と訴えた。(下久保聖司、口元惇矢)

(2021年11月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ