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教皇燭台 核廃絶の灯火 広島訪問2年 被爆者ら祈り

 ローマ教皇フランシスコが被爆地広島を訪れてから2年を迎えた24日夕、平和記念公園(広島市中区)でキリスト教や仏教の関係者たちが記念行事を開いた。核兵器廃絶を願って祈りをささげた。(湯浅梨奈)

 市民や被爆者を含め約30人が原爆慰霊碑前で黙とうし、原爆ドーム対岸の親水テラスに移動。2年前に教皇がろうそくに火をともした赤い燭台(しょくだい)に、カトリック広島司教区の白浜満司教(59)たち3人が火をともした。賛美歌の斉唱に続き、白浜司教が「核戦争の脅威による威嚇をちらつかせながら、どうして平和を提案できるでしょうか」「核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」と教皇が広島で読み上げた平和演説の抜粋を朗読した。

 燭台は普段、原爆資料館に展示されている。この日の記念行事に先立って広島学院中・高(西区)の朝礼でも披露された。

 白浜司教たちが設立した「核なき世界基金」と、NPO法人谷本平和財団が共催した。広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の長女で被爆者の近藤紘子さん(77)=兵庫県三木市=は「未来を担う人のために、平和への祈りを新たにしたい」と話した。

(2021年11月25日朝刊掲載)

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