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被服支廠耐震化 実施設計に着手 広島県

 広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を巡り、広島県は所有する3棟の耐震化に向けた詳細な実施設計に着手した。2022年度末までに終え、23年度の着工を予定している。

 県によると、10月上旬の指名競争入札を経て今月2日、日建設計大阪オフィス(大阪市)と委託契約を結んだ。落札額は9360万円(税抜き)で、期間は23年3月31日まで。既に準備作業を始めており、今後は屋根の劣化状況などを把握するための現地調査を予定しているという。

 県は5月、3棟を耐震化する方針を表明した。実施設計と並行して、11月から有識者懇談会で建物の利活用策を議論しており、国による重要文化財(重文)指定に向けた調査も進める。県営繕課は「文化財としての価値を損なわないよう、事業者と入念な打ち合わせをしながら作業する」としている。(河野揚)

(2021年11月25日朝刊掲載)

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