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供養塔の周辺を清掃 原爆犠牲者安らかに

 広島戦災供養会(畑口実会長)と市は25日、平和記念公園(広島市中区)にある原爆供養塔の周辺を清掃した。遺族の元に戻ることができないままの犠牲者に安らかに新年を迎えてもらおうと、毎年この時期に行っている。

 今年は中区女性団体連合会(田中八重子会長)も初めて参加した。約20人で黙とうした後、直径16メートル、高さ3・5メートルの盛り土の上や、広場にたまった落ち葉をほうきで掃いた。市の職員は、引き取り手のない推定約7万人の遺骨が安置された納骨堂に入り、棚のガラス戸などを拭き清めた。

 原爆供養塔では先日、献花用の鉢がセメントのようなもので埋められているのが発見されたばかり。約1時間の掃除を終えた畑口会長は「きれいになった供養塔で、み霊に新年をすがすがしい気持ちで迎えていだきたい」と語ると同時に、「静かにお参りする場で、なぜこんなことをされたのか。早く元通りになってほしい」と述べた。(桑島美帆)

(2021年11月26日朝刊掲載)

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