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平和大橋の車道 拡幅着工 2年遅れ 21年度中完成へ 広島市4回入札不調響く

 広島市は、中区の平和大橋(長さ約86メートル)の車道の拡幅工事に着工した。4回にわたり入札が不調に終わり、着工できていなかった。完成は当初より2年遅れの2021年度中となる見通し。

 歩行者と自転車の専用橋が19年3月に新設されたのを受け、平和大橋上の北側にある歩道(幅2メートル)のうち、幅1メートル分を車道に転用。現在は幅11メートルの車道を12メートルに拡幅する。片側2車線に必要な幅を確保でき、幅3メートルごとに車線を区分する線を引く。残る歩道の幅1メートル分は橋の管理道とする。24日から歩道表面のタイルをはがし始めた。

 中区建設部によると、拡幅は当初20年3月の完了を目指したが、19年2月~21年1月の4回の入札不調などで落札業者が決まらなかった。18年の西日本豪雨の復旧工事や新型コロナウイルス禍の影響で業者が作業員を確保しづらかったと、市はみている。近くの道路工事を組み合わせて工事量を増やして発注したところ、今年7月の入札で西区の建設会社が落札。市は7513万円で発注した。

 平和大橋は世界的彫刻家のイサム・ノグチ氏が設計し、両端に「太陽」を思わせる半球を付けた特徴的なデザイン。全体の幅は15メートル。車道は車線区分がないまま車が片側を2列で並走して窮屈だった。

 中区建設部は「復旧工事と新型コロナの影響が一段落した可能性がある。できるだけ早く安全に工事を進めたい」としている。(新山創)

(2021年11月27日朝刊掲載)

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