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輜重隊被爆遺構 一部提供を検討 広島市が方針説明

 サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(広島市中区)で出土した旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」施設の被爆遺構について、移設する範囲の拡大などを求めていた被爆者団体などが26日、市から説明を受けた。市は以前から移設する方針の3カ所に加えて予備の石畳を保管しているとしたが、団体側は再び説明を求める考えを示した。

 会合は非公開。終了後に取材に答えた市の平田太・文化財担当課長は、軍馬の関連施設の石畳20枚を予備で残し、使わなかった場合に被爆者団体などへの提供を検討するとした。一方で9月に切り取った3カ所の遺構と予備の石畳を除き、取り出した被爆石材は既に廃棄したと説明した。

 広島被爆者団体連絡会議などの8人が被爆石材の保管などを市に申し入れていた。名を連ねる広島県原水禁の金子哲夫代表委員は「被爆石材を廃棄しており、積極的な活用の意思を感じられない。保管を願う側の思いと開きがある」と批判した。

(2021年11月27日朝刊掲載)

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