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宮崎監督引退 「ポニョ」の鞆もねぎらう

 宮崎駿監督は江戸期の風情を残す福山市鞆町を度々訪れ、住民と交流した。アニメ映画「崖の上のポニョ」は鞆が舞台モチーフとされる。広島県内の関係者からも引退を惜しむ声が上がった。

 「いつかは来ることだけど、いざ聞くと寂しい。6月に会った時は痩せたようにも見えたが元気そうだった」と、NPO法人鞆まちづくり工房の松居秀子代表(62)。

 工房が坂本龍馬ゆかりの「旧魚屋萬蔵宅」を修復する際は、ステンドグラスなどのデザインをしてくれた。「鞆の価値を全国に知らしめてもらった。ゆっくりと体を休めに来てほしい」と話す。

 観光ガイド宮本和香さん(64)は「住んでいる人も、そうでない人も作品(ポニョ)を通じて、鞆の良さを見直すことができた」と感謝。「今後も後進の育成などに頑張ってくれるはず」と期待する。

 2009年春、中国新聞ジュニアライターとして宮崎監督に取材をした、広島市西区出身の長崎大1年西田千紗さん(19)は「取材後にもらった手紙で、全く妥協せず精魂込めて作っていると知った。新しい作品を見られなくなるのは寂しいけど、体力的にも年齢的にも仕方ないのかも」。そう思いやった。(水川恭輔、二井理江)

(2013年9月3日朝刊掲載)

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