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島根3号機 差し止め訴訟 国・中電が争う姿勢 松江地裁で第1回弁論

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)で建設中の3号機について、中国地方5県を含む20都道府県の住民428人でつくる原告団が、運転差し止めなどを国や中電に求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、松江地裁であった。被告側はいずれも争う姿勢を示した。

 訴状によると、島根原発は全国で唯一県庁所在地にあり、半径30キロの人口は約46万9千人。3号機は地震や津波による事故のリスクがあり、住民が安全に避難することは不可能などとしている。

 原告団共同代表で元島根大教授の井口隆史さん(70)=松江市=は意見陳述で「福島第1原発事故で、事故が起きればどうすることもできないと分かった。原発はできるだけ早く廃炉の方向に持っていくべきだ」と訴えた。

 中電と国はそれぞれ答弁書を提出し、原告側の訴えを棄却するよう求めた。中電側は終了後に会見し「新しい基準が施行されたばかりで、3号機の安全性については今後主張する」とした。次回口頭弁論は来年1月20日。

 同原告団の一部が1999年、同地裁に提訴した耐震安全性をめぐる1、2号機の運転差し止め訴訟は、一審で原告側が敗訴した。原告側が控訴し、広島高裁松江支部で係争中。(松島岳人)

(2013年9月3日朝刊掲載)

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