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日本イラン映画「四羽目の鶴」 平和公園訪問 監督が抱負

 広島で被爆し、10年後に12歳で亡くなった佐々木禎子さんを題材にした日本イラン合作映画「四羽目の鶴(仮題)」。メガホンを取るイランのシルース・ハサンプール監督(51)が2日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。10月の撮影開始に向け、「サダコのように犠牲になった子どもの目線で、戦争の怖さを描く」と語った。(松本大典)

 ハサンプール監督は昨年の平和記念式典への出席に続き2度目の来訪。イランでの撮影を支援するファーラビー映画財団のセエイド・アーマド・ミルアライ会長(54)たちと原爆慰霊碑に献花した。

 禎子さんがモデルとなった原爆の子の像の前では、「最後まで望みを捨てず、鶴を折り続けたサダコに引かれて、ここにいる気がする」と感慨を込めた。

 映画は、ペルシャ語に翻訳され、イランの子どもたちにもよく知られる「サダコと千羽鶴」を5年前に読んだハサンプール監督が企画した。イラン・イラク戦争で化学兵器の被害を受け、病を患うイランの少女が広島を訪れ、禎子さんの思いに迫るストーリーだ。

 記者会見したハサンプール監督は「シリアやアフガニスタンなど世界では紛争が絶えない。子どもたちのためにメッセージを発信したい」と述べた。

 製作には広島出身の美術監督部谷京子さんたちが関わり、来年1月に広島でのロケも予定している。

(2013年9月3日朝刊掲載)

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