×

ニュース

島根原発3号機訴訟 第1回口頭弁論 原告「新基準 神話にせぬ」

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)で建設中の3号機の運転差し止めなどを求めた訴訟で、松江地裁で第1回口頭弁論があった2日、原告団と中電側がそれぞれ、市内で会見した。原告側は7月に施行された原発の新規制基準について「今後、問題点を指摘する」と主張。中電側は来年3月ごろまでには、新基準に照らして3号機の安全性をあらためて主張する考えを示した。(明知隼二、松島岳人)

 第1回口頭弁論では、中電と国はいずれも実質的な主張をしなかった。今後の争点については、原告弁護団の水野彰子弁護士(松江市)は「全国弁護団の協議で決めたい。新しい安全神話にならないよう、新規制基準の問題点を主張する必要がある」とした。

 1999年に始まった1、2号機の運転差し止め訴訟は地元住民が中心だったが、3号機訴訟の原告団は20都道府県の住民428人に広がった。弁護団共同代表の妻波俊一郎弁護士(同市)は「福島のような事故を繰り返してはいけないという思いと、日本から原発をなくすべきだとの思いが広がった」との見方を示した。

 中電側の弁護団は、原告の主張が地震や津波のリスクや核燃料サイクルの課題、新規制基準、国のエネルギー政策など多岐にわたっていることを指摘。「論点の整理が必要だ」と当面の主張を避けた理由を説明した。

 また、新規制基準の施行で安全性の基準が変わったことに触れ「既に始まった安全審査を見ながら、島根原発3号機についても判断していかざるを得ない」と述べた。来年1月20日の次回口頭弁論での主張は見送り、来年3月ごろまでに安全性の主張をまとめる考えを示した。

(2013年9月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ