×

ニュース

G7広島誘致 正式表明 市・県・商議所「核兵器廃絶へ好機」

 広島市と広島県、広島商工会議所は30日、2023年に日本で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)の誘致を目指すと表明した。来年1月に「サミット広島誘致推進協議会」を官民で立ち上げ、誘致活動を進める。米国などの核兵器保有国のリーダーが集まるサミットを被爆地で開き、核兵器廃絶に向けた機運を高めたい考えだ。

 3者のトップがこの日、広島市中区の同会議所で記者会見した。松井一実市長はサミット7カ国のうち米国、フランス、英国が核兵器保有国であることを念頭に「核兵器の悲劇を繰り返さないための政治を考える最高の好機」と説明。各国首脳に原爆資料館の見学や被爆者の証言を聞く場を設けることに意欲を示した。

 湯崎英彦知事は「実現すれば、核兵器廃絶に向けた新たな一歩になる。安全保障環境が厳しい今だからこそ広島で感じることは多い」と意義を強調した。

 誘致推進協議会は市と県のほか、広島商工会議所を含む地元の経済界や平和、観光団体で構成する。同会議所の池田晃治会頭は「広島の産業や文化の発信、誘客効果が期待できる。新型コロナウイルスの影響で低迷する広島経済に活力を与えてくれる」と述べた。

 市と県は今月中旬までに誘致の意思を伝える書類を外務省に提出。来年1月以降、協議会のメンバーで国への要望活動を進める。

 23年のサミットを巡っては福岡県・市、愛知県・名古屋市も誘致を目指している。林芳正外相はこの日の記者会見で、ドイツで22年に開かれる予定のG7サミットまでに開催地を決める方針を示した。広島市が開催地に名乗りを上げるのは00、16年のサミット以来3度目となる。(余村泰樹)

(2021年12月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ