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広島世界平和ミッション 「核問題に関心を」 第二陣、韓国学生らと討議

 【ソウル2日西本雅実】韓国訪問中の広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第二陣メンバーは二日、忠清南道瑞山市にある韓瑞大学で、原爆投下と北東アジアの平和構築をめぐって教授や学生らと討議した。

 広島市佐伯区の被爆者、福島和男さん(72)が両親らを失った自宅跡にあった遺品を見せながら「一瞬にして多くの命を奪った原爆の恐ろしさを知ってほしい」と訴えた。

 続いて、日本軍に徴兵され広島で被爆したソウル市郊外在住の郭貴勲さん(80)が「韓国人被爆者の存在は国内で知られていない。多くの同胞が犠牲になった核兵器の問題に若い人も関心を向けるべきだ」と注文した。

 意見交換の中でメンバーは「同じ民族である北朝鮮の核開発をどう見ているのか」などと質問。それに対し学生らは「米国の核の脅威と比べれば、それほど心配する必要はない」「日本政府は核兵器の廃絶を言いながら、なぜ米国に追随するのか」と、韓国の若い世代に広がる反米意識や日本の政策への疑問をのぞかせた。

第三陣参加者 慰霊碑に誓い 「ヒロシマ伝える」

 広島国際文化財団が主催する広島世界平和ミッションで、フランス、英国、スペイン三カ国を巡る第三陣のメンバー五人が二日、四日早朝の出発を前に広島市中区の原爆慰霊碑を訪れ、被爆地の思いを伝える決意を新たにした。

 メンバーを代表して、被爆者の細川浩史さん(76)=中区=と筑波大一年の花房加奈さん(18)=同区出身=が慰霊碑に花を手向け、五人で黙とう。細川さんは「使命は大きいが、肩の力を抜いた交流で、ヒロシマをより知ってもらえる努力をしたい」と誓っていた。

 五人は中国新聞の記者とカメラマンの計三人とともに、二十六日間、三カ国でヒロシマを伝え、核兵器廃絶や暴力の連鎖を断ち切る方策を探る。

(2004年7月3日朝刊掲載)

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