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社説・コラム

[国政へ 中国地方の新人・元職に聞く] 着実に核軍縮進める 林芳正氏(60)自民党・山口3区

  ―参院議員5期目途中に辞職して衆院選山口3区に転出し、初当選しました。どのような選挙戦でしたか。
 萩市で遊説中、聴衆から「田舎を忘れないでください」と声を掛けられた。山口3区の大半は農林水産業を軸にまちづくりなどを考えなければならない地域だ。農林水産相を2度にわたって務めた経験を生かし、田舎のための努力を続けたい。地元の首長や議員と力を合わせて取り組む覚悟だ。

  ―将来の首相就任を期待する声が一層高まっています。
 (衆院での立候補は)地元からは「遅い」と言われ続けてきた。期待は大変ありがたい。参院議員に立候補表明した33歳の頃から総理を目指す志は持っている。今後も持ち続けたい。

  ―首相を目指す時期は。
 今は岸田内閣の外相だ。岸田文雄首相(広島1区)を支え、できるだけ長く政権が安定的に続くことが大事だと思う。

  ―外相は五つ目の大臣ポストになります。決意は。
 米国や中国に対しては議員外交を重ねてきた。その経験を生かし、対話を心掛けたい。(英語力は)一つの強みにはなる。

  ―首相が掲げる「核兵器なき世界」の実現に向けて、どのようなアプローチを考えていますか。
 幼い頃、広島で原爆ドームを見て以来、核廃絶には非常に強い思いがある。下関市で育ち、父からは「長崎の原爆は(海を隔てて隣町の)小倉に落ちる可能性があった」と聞いてきた。唯一の戦争被爆国として着実に核軍縮を進めていきたい。(樋口浩二)=おわり

はやし・よしまさ
 三井物産社員、サンデン交通社員、父の林義郎元蔵相秘書官を経て、1995年に参院選山口選挙区で初当選。防衛相、農林水産相、文部科学相などを歴任。21年8月に参院議員を辞職した。下関市出身。米ハーバード大大学院修士課程修了。

(2021年12月4日朝刊掲載)

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