×

ニュース

原爆症訴訟 東京高裁あす判決 一括解決へ10人認定焦点

■記者 道面雅量、岡田浩平

 東京都内の被爆者が国の原爆症認定の却下処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁で言い渡される。国の新基準でも未認定の10人への判断が焦点となる。

 東京訴訟の原告は30人(うち14人死亡)。2003、2004年に提訴し2007年3月の東京地裁判決は21人を原爆症と認めた。勝訴の14人と敗訴の6人の計20人が2008年4月以後、新基準で認定されている。

 未認定の10人の病気のうち肝機能障害と甲状腺機能低下症については、原告側が一括解決の条件として「積極認定」の対象に加えるよう迫っている。遠距離のがんについても「総合認定」での救済を求めている。政府は、東京高裁判決をみて基準の見直し、解決を図る方針を表明している。

 節目の判決を控え原告や支援者は26日、一括解決を求め東京・霞が関の厚生労働省前で座り込みを始め、横断幕を手に国会周辺で行進をした。公明党の太田昭宏代表への支援要請も行った。日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は「完全勝利へ最後の闘い」と強調した。

(2009年5月27日朝刊掲載)

関連記事
原爆症訴訟 原告団ら野党に一括解決要望 (09年5月26日)
原爆症訴訟解決へ5条件 被爆者ら東京集会 (09年5月20日)

年別アーカイブ