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原爆資料館 情報資料室利用が最多 8月9996人 ゲン原画展と相乗効果

 原爆、平和関連の書籍やDVDを無料で閲覧できる原爆資料館(広島市中区)の情報資料室の8月の利用者数が、過去最多の9996人に上った。資料館では漫画「はだしのゲン」の原画展を開催中で、松江市教委が閲覧制限を小中学校に要請したことが社会問題化。資料館は「作品が注目されたことで、原画展や資料室を訪れた人もいるのではないか」とみる。

 資料室は1974年オープンし、職員が手作業で利用者を数えている。原爆の日(8月6日)のある8月が利用のピークとなる。今年は前年の6・2倍で、8月だけで昨年度1年間の6452人を上回った。月間利用者数の記録が残る97年度以降では、98年8月の7015人がこれまでの最多だった。

 資料室はことし4月から開館日を土、日曜日と祝日にも広げた。7月19日に連載開始40年を記念した「はだしのゲン原画展」が隣接の展示室で始まると、資料室を訪れる人も大幅に増え、作品の単行本を読む姿も目立った。

 8月中旬には、松江市教委が一部の描写が過激として小中学校に閲覧制限を要請していたことが明らかになった。資料館によると、例年利用者が減る盆以降も1日平均270人が訪れた。

 原画展は今月1日に閉幕した。資料館は「原爆関連の専門書から絵本まで、さまざまな資料がある。引き続き、幅広い年代に活用してほしい」としている。(田中美千子)

(2013年9月5日朝刊掲載)

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