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ヒロシマ賞にサルセドさん コロンビア女性芸術家

 広島市は6日、現代美術の分野で平和に貢献した人に贈る「ヒロシマ賞」の第9回受賞者に、コロンビア人の女性芸術家、ドリス・サルセドさん(55)を選んだと発表した。来年夏、南区の市現代美術館で授賞式と記念展を開く。

 サルセドさんは首都ボゴタ在住。母国の内戦をはじめ世界各地の暴力や差別による犠牲者を悼み、平和への願いを込めた作品を手掛ける。1990年代から国際美術展に出展。使い古された家具や衣服を使った作品や、大掛かりなインスタレーション(空間構成)で世界的に知られる。

 市を通じサルセドさんは「受賞は、暴力行為の犠牲者の体験をテーマに創作を続ける責任を意味するものと受け取っている。被爆地広島は道徳的なよりどころ。その忍耐力と回復力はすべての人びとに感銘を与える」とのコメントを寄せた。

 市は89年にヒロシマ賞を創設。3年ごとに授与している。これまでに東区出身のデザイナー三宅一生さんや米国在住の芸術家オノ・ヨーコさんたち9人(第3回は2人同時受賞)が受賞した。南米からはサルセドさんが初めて。(田中美千子)

(2013年9月7日朝刊掲載)

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