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樋口季一郎の功績紹介 ユダヤ難民に移送用列車手配 福山健康舎が漫画を出版

 福山市の陸軍歩兵第41連隊の連隊長などを務めた樋口季一郎(1888~1970年)を伝える歴史漫画を、同市沖野上町の福山健康舎が出版した。ナチス・ドイツの迫害から逃れようとするユダヤ人難民を救った功績などを紹介した。

 樋口は1933~35年に連隊長を務めた。満州(現中国東北部)のハルビン特務機関長だった38年、旧ソ連国境のオトポールでユダヤ人難民が入国拒否に遭い、極寒の原野にテントを張っているのを知り、外交官らに働き掛けて移送用列車を手配したとされる。

 漫画はA5判、39ページ。同社代表で連隊の歴史を調べている市議の大田祐介さん(53)が文献に加え、樋口の親族にも聞き取り足跡を調べた。知人の漫画家の協力も得て10月に発行した。

 大田さんは「ユダヤ人に査証を発給した杉原千畝と同じような行いをしたのに知られていない。連隊長時代のエピソードも盛り込んだ」と話す。220円。啓文社で販売している。福山健康舎☎084(931)4572。

(2021年12月8日朝刊掲載)

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