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原爆ドームの役割重く 世界遺産25年で記念集会

 原爆ドーム(広島市中区)の世界遺産登録から25年を迎えた7日、現地で記念集会があった。物言わぬ証人として被爆の実態を伝え続けるドームとともに、核兵器廃絶を目指す決意を新たにした。

 被爆者団体や連合広島など12団体でつくる核兵器廃絶広島平和連絡会議が主催し、被爆者たち約80人が参加した。「遺産登録の意義を再認識し、核兵器廃絶と世界の恒久平和実現に向けた運動を強化しなければならない」とするアピールを採択。連合広島の大野真人会長が松井一実市長に、ドームの保存に充てる100万円の目録を手渡した。

 松井市長は、惨禍の体験を語る被爆者の高齢化を踏まえ「ドームの役割はますます重要となっている」とあいさつ。広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(79)は「被爆者がいなくなった後も核兵器の怖さ、悲惨さを訴え続けてくれる」と強調した。

 原爆ドームは1996年12月7日、厳島神社(廿日市市)と同時に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。(小林可奈)

(2021年12月8日朝刊掲載)

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