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「戦争ほど ばかなものない」 柳井の藤麻さん 母校で空襲語る

 太平洋戦争末期、光市の光海軍工廠(こうしょう)で学徒動員中に空襲に遭った柳井市柳井の藤麻功さん(90)が、母校の柳東小(同市)の6年生約30人に体験を語った。爆風と火災に襲われながら逃げた経験から、「戦争ほどばかなものはない」と強調した。

 空襲があったのは1945年8月14日。旧制柳井中(現柳井高)2年生で、人間魚雷「回天」のエンジンに使うばねを作っていた。昼食の直後、九州上空から飛来する米軍機を発見。同級生と敷地内にあったトンネルへ逃げ込み、爆撃がやむのを待った。外へ出ると周りの工場は真っ赤に燃えていた。

 帰宅して泣いて喜ぶ家族と会い恐ろしさがこみ上げた。「肉親の情を知った」。最後に「世界中から銃声がなくなるよう平和を実現してほしい」と託した。

 同校では、戦争を知る住民から体験を聞く学習を続けている。田原優月さん(11)は「戦争はみんなが悲しむ。小さなけんかからなくしたい」と聞き入った。(山本祐司)

(2021年12月8日朝刊掲載)

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