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各国要人 被爆地見て 20年東京五輪決定 期間中8・6 広島市長「訪問へ工夫」

 2020年東京五輪の開催決定を受け、広島市の松井一実市長は9日、期間中に被爆75年の原爆の日(8月6日)を迎える点に触れ、来日する各国要人や多くの外国人に「広島を訪れ、その目で被爆の実態を見てもらう工夫をしたい」と意欲を語った。参加国の事前キャンプの誘致にも「考えてもいい。地元の選手養成の機会にもなる」と前向きな意向を示した。(岡田浩平)

 松井市長は市役所で取材に応じ、日本での五輪開催に喜びを表した。被爆から75年となる20年は、松井市長が会長を務める平和首長会議の指針「核兵器廃絶のための緊急行動(2020ビジョン)」で核兵器廃絶の目標時期にしている。

 この点も踏まえ、松井市長は「五輪は平和の祭典。各国要人には8月6日を中心に広島を訪れてもらいたい。そのきっかけをつくる工夫をしたい」と述べた。

 開催地が東京に決まった理由について「人や物、カネなどさまざまなキャパシティーが試されて東京に決着をみた」と分析した。

 20年夏季五輪をめぐっては秋葉忠利前市長が「平和五輪」の理念を掲げ、広島、長崎両市での招致を検討。日本オリンピック委員会(JOC)が複数都市の共催を認めなかったため、広島単独開催を模索した。松井市長が11年4月の就任直後、財政的なめども立たないなどとして断念した経緯がある。

 松井市長は東京との都市機能の差を挙げ、「ずっと招致活動をしていても広島が候補地に残るのは厳しかった」と述べた。

(2013年9月10日朝刊掲載)

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