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建物利用の歴史を調査 被服支廠資料募る 広島県

 広島市南区の最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」で、国の重要文化財(重文)としての指定を目指す広島県が、建物のこれまでの利用状況を示す資料を募っている。原爆の惨禍で現存する資料が少ないと見込み、県民に協力を呼び掛けている。来年3月31日まで。

 対象は写真や絵はがき、書籍、雑誌、公文書、契約資料など。提供されれば、県が分類、整理をして、建物の歴史を調べるために役立てる。資料は作業終了後に返還するが、寄贈の申し出があれば行政文書として適切に保存するという。

 被服支廠では戦前、軍服や軍靴を製造していた。1945年の被爆当時は臨時救護所となり、翌年から県立広島第一高等女学校(現皆実高)の分散授業場などに使われた。

 県は今年6月から、国の重文への指定に向けた調査を進めている。県立文書館や原爆資料館(いずれも中区)が絵はがきなどを所蔵しているが、未発見の資料が市中にあると期待して、募集に踏み切った。

 県は「第2次大戦前までの資料があまりないといわれている。そういった時期を中心に、写真などを寄せてもらえればありがたい」としている。県経営企画チーム☎082(513)2346=平日のみ。(河野揚)

(2021年12月10日朝刊掲載)

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