×

ニュース

「先制不使用なら安全保障困難に」 木原官房副長官

 英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は9日、米政権が策定中の新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を巡り、バイデン大統領が「核兵器の先制不使用」政策を採用しないと、米政府当局者が同盟国に伝えていたと報じた。

 木原誠二官房副長官は10日の記者会見で、これに関し、「先制不使用の考え方に依存して日本の安全保障に十全を期すのは困難だ」との認識を示した。

 「米政府は現時点で何ら正式発表をしていない。報道について政府としてのコメントは控える」と前置きした上で、一般論として同政策は「全ての核兵器国が検証可能な形で同時に行わなければ有意義ではない」と強調した。

 林芳正外相(山口3区)も同日の記者会見で木原氏と同じ言葉を並べた。英国で開かれる先進7カ国(G7)外相会合出席に合わせ、11日に予定するブリンケン米国務長官との初会談で議論するかを問われると「米国政府が何ら正式発表をしていないことをベースに(会談に)臨む」とするにとどめた。

 先制不使用政策は、オバマ政権から「核兵器なき世界」の理念を引き継ぐとされるバイデン政権が、策定中の新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」に盛り込むかどうかが注目されている。(口元惇矢、樋口浩二)

(2021年12月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ