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基町高生の絵 スライド上映 坪井さん写真も 国連での原爆展 NPT会議

 日本被団協は、核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、今月13日から国連本部ロビーで開く原爆展の展示内容を明らかにした。基町高(広島市中区)の生徒が描いた「原爆の絵」のスライドショーを初めて上映。10月に96歳で亡くなった日本被団協代表委員で広島県被団協理事長を務めた坪井直さんの写真パネルも掲示する。

 会場では、基町高生徒が2008~17年度に被爆者の話を基に描いた作品9点をテレビモニターで流す。爆風で窓ガラスが割れて破片が突き刺さった被爆直後の自宅内や、黒い雨で白いブラウスが黒く染まって立ちすくむ少女を描いた内容で、英文の解説を付ける。

 パネルは反核を世界に訴え続けた被爆者の姿など48枚。健康被害を伝える部門では、坪井さんが爆心地から1・2キロで被爆し全身にやけどを負ったことなどを説明し、10年の原爆展で米国の平和団体と交流する写真も載せた。

 原爆展を巡っては外務省が後援に難色を示し、東京電力福島第1原発事故に関するパネルの記述変更を求めたことが昨年3月に判明。被団協は「汚染水」を「汚染処理水」と文言修正するなどし、今年11月に後援を得たという。

 広島、長崎両市と共催で来年1月12日まで。(中川雅晴)

(2021年12月12日朝刊掲載)

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