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不拡散委エバンズ議長 市民団体と意見交換

■記者 金崎由美

 核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)の共同議長を務めるギャレス・エバンズ元オーストラリア外相が27日、東京都内で記者会見した。エバンズ氏は核兵器の役割縮小を求める立場から、米国の「核の傘」を幅広く解釈する日本の現状に再考を促した。

 国会議員や市民団体メンバーらとの意見交換後に会見したエバンズ氏は「核軍縮を進めるには核兵器の役割を縮小していくことが不可欠。他国に核兵器削減を訴える一方、自国にとっては通常兵器に対しても核兵器が必要とするのは説得力を欠く」と力説。核抑止をめぐり、核兵器だけでなく生物、化学、通常兵器による脅威にも有効との見解を表明している日本政府を暗に批判した。

 エバンズ氏は「日本や韓国も、将来直面しうる脅威はほとんどが通常兵器で対応できる。(核兵器への抑止を除き)核は要らない」とも述べた。

 ICNNDは6月にモスクワ、10月に広島で会合を開き、年内にも核兵器廃絶に向けた具体的な方策を報告書にまとめる。エバンズ氏は今回、「ICNND日本NGO・市民連絡会」(共同代表・田中煕巳日本被団協事務局長ら)が招いた。

(2009年5月28日朝刊掲載)

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