×

ニュース

被爆伝える大切さ実感 若者の平和公園ガイド 2年ぶり始動 本年度48人

「深い学びへ 勉強重ねたい」

 平和記念公園(広島市中区)で外国人観光客たちを英語で案内する高校生と大学生の「ユースピースボランティア」が本年度の活動を始めた。新型コロナウイルスの影響で園内でのガイドは2年ぶり。被爆の実態を世界の人に直接伝えられる機会の大切さをかみしめている。(小林可奈)

 本年度のガイドの初日となった21日、34人のピースボランティアが6班に分かれ、外国人に声を掛けては希望者を案内して回った。「海外出身者も犠牲になった」「名前が分かっても引き取られていない遺骨がある」。練習した英語で丁寧に説明した。

 夫と訪れたスペイン出身のジャーナリスト、マリア・ロルダンさん(33)=東京=は「若者に直接案内してもらって良かった。公園について詳しく学べた」と笑顔を見せた。

 ピースボランティアは、広島平和文化センター(中区)が2019年度から養成。19年度は31人、20年度は26人が活動した。ただ、20年度はコロナの感染予防のため、園内でのガイドはできなかった。

 本年度は48人が活動する。新規の参加者は、オンラインでのガイド練習を含めて4回の研修を受けてきた。コロナの感染者数が減ったため、ようやく現場に出られた。

 20年度から参加し、初めて外国人を案内した広島大3年の中村悠人さん(21)=東広島市=は「広島に来た理由などを直接聞けて、ガイドの意義を実感できた。犠牲者の無念を広く伝えていきたい」と話す。

 本年度は来年3月まで月1回、ガイドとして活動する予定だ。同大3年の石井里穂さん(21)=同=は「外国の人たちに被爆地広島を深く学んで帰ってもらえるよう勉強を重ねたい」と力を込める。

(2021年11月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ