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松江市歴史館、赤字続きで運営見直し 原発交付金で整備 指定管理検討

 島根県松江市は、近世松江の歴史資料などを保存・展示している松江歴史館(同市殿町)について、採算性向上のため指定管理制度導入も含めて運営方法を見直す考えを、13日の市議会経済委員会で明らかにした。(土井誠一)

 同館は松江城の堀を挟んで東隣にある鉄筋2階建て延べ3765平方メートル。2011年3月、「お城の見える博物館」として開館した。総事業費39億円の大半は中国電力島根原子力発電所(同市鹿島町)の電源立地地域対策交付金で賄った。

 有料入館者数は11年度が約9万6千人と目標の25万人を大きく下回り、12年度は約4万7千人と半減。11年度が1億900万円、12年度1億3700万円と赤字が続く。

 赤字削減の取り組みを求める陳情が3日、市民から提出され、この日の経済委員会で取り扱いを協議した。同館の仁井誠事務局長は「建設の趣旨は資料保存にある。収支で論じるべきではない」などと陳情内容に反論する一方「できるだけ効率的に運営したい」と収支改善に努力する姿勢を示した。

 委員からは「将来、指定管理(制度導入)も一つの考え方ではないか」との提案があり、市産業観光部の錦織裕司・観光事業部長は「これまでの運営状況を踏まえて指定管理にするか、直営がいいのか内部で検討している」と答えた。

 閉会後、錦織部長は指定管理制度について「方向性は決まっていない。導入する場合は14年度以降」と述べた。制度が導入された場合、同館に現在5人いる学芸員の配置も課題となる。

(2013年9月14日朝刊掲載)

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