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被爆ピアノで平和のジャズ 原爆ドーム前で演奏

 米国出身で東京在住のジャズピアニスト、ジェイコブ・コーラーさん(41)による被爆ピアノの野外演奏が17日、広島市中区の原爆ドーム前であった。「荒城の月」やジャズの名曲を披露し、被爆地で平和の音色を響かせた。

 演奏が始まると、観光客が次々と集まって聞き入った。ハーモニカ演奏家の徳永延生(のぶお)さん=大阪市=が飛び入りでセッションし「戦場のメリークリスマス」を披露。安佐北区の主婦立川幸恵さん(65)は「心引かれる音に、明るい未来を思い描いた」と話していた。

 コーラーさんは全国各地を訪れ、街角で演奏する活動をしている。広島では調律師の矢川光則さん(69)=安佐南区=から協力を得て、爆心地から2・6キロで被爆したアップライトピアノをドーム前に運んだ。

 コーラーさんは「ピアノは柔らかくて深い音色。戦争の情景と、ピアノ演奏ができる平和な現在を思い、特別な気持ちになった」と力を込めた。この日の模様は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で1月に配信予定。18日午後12時半からは紙屋町地下街シャレオの東通り「まちかどピアノ」でも演奏する。https://www.youtube.com/channel/UCuhg79_V‐Q9hd2feSzCYSUw(湯浅梨奈)

(2021年12月18日朝刊掲載)

「米国ピアニストが被爆ピアノで平和のジャズ」

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