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平和学習 臨場感たっぷり 広島↔長崎 5G通信で高校生ら

 広島県と長崎県の高校生たちが18日、第5世代(5G)移動通信システムでつながり、両県の被爆者や平和団体メンバーから被爆の実態や復興の歩みについて学んだ。新型コロナウイルス禍の中、臨場感のある学びの場を提供しようとNTTドコモ中国支社(広島市中区)が初めて企画した。

 広島国際会議場(同)と出島メッセ長崎(長崎市)を結び、互いの様子を伝える鮮明な動画をスクリーンに映しながら進行。広島会場では、南区の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の保存運動などに取り組む被爆者の内藤達郎さん(80)=佐伯区、長崎会場では被爆遺構ガイドが講演した。両会場の計31人とオンライン参加の約360人が講演を聞き、質問をした。

 さらに、ゴーグルとパソコンで参加するドコモの「バーチャルデザインアトリエ」も利用。仮想空間上で平和をテーマにしたアート作品を一緒に作った。

 加計高2年瀬川詩奈(しいな)さん(16)は「長崎の生徒と同じ場所で学んでいる感覚だった。今後は広島だけでなくもっと視野を広げ、平和への理解を深めたい」と話していた。(小川満久)

(2021年12月19日朝刊掲載)

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