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西平和大橋の欄干破損 イサム・ノグチデザイン 19年に補修 未明の車衝突が関係か

 広島市中区の西平和大橋の欄干の一部が破損していることが19日、分かった。欄干は彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)のデザイン。広島中央署によると、同日未明に車が欄干にぶつかる事故があった。橋を管理する市は破損した原因や事故との関連を調べる。

 破損したのは上流側のコンクリート製の欄干。1カ所は折れて中の鉄筋が見えており、近くには削れている所もある。欄干の下部や歩道には黒いこすった跡がある。

 広島中央署などによると、19日午前1時15分ごろ、西平和大橋で、10代の男性が運転する乗用車が横転する事故があり、乗っていた3人のうち2人が軽傷を負った。車は横転する前か後に欄干にぶつかったという。

 本川に架かる西平和大橋は全長約100メートルで、1952年に完成した。手すりのように2本の円柱を渡したデザインは、元安川の平和大橋とともにイサム・ノグチが手掛けた。2019年に市が表面や老朽化した部分を補修し、完成時のコンクリートの滑らかな質感に「復元」した。

 市中区維持管理課は「貴重な欄干で残念。破損した原因などを調べ、修繕などを検討する」としている。(新山創、阪本茉莉)

(2021年12月20日朝刊掲載)

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